2024年11月3日、東京日比谷野外音楽堂で開催される全国労働者総決起集会/改憲・戦争阻止!大行進集会に、解雇撤回闘争に勝利して、職場復帰を果たした旭硝子支会(旧・旭非正規職支会)から代表してナム・ギウン事務長とソン・ドンジュ副支会長の2名の参加が決定しました!
旭硝子支会の勝利を国際連帯と日本の労働運動・反戦運動の発展の力にしていきましょう!11・3集会にみなさんの参加を呼びかけます!
月刊労働運動10月号に掲載された記事を転載します。
旭支会を迎えて勝利集会開催!旭闘争は第2幕へ!
旭非正規職支会支援共闘会議事務局長 清水彰二
8月30日(金)夕、東京・亀戸文化センターにて、韓国金属労組アサヒガラス支会のチャ・ホノ支会長、オ・スイル主席副支会長の2人を招いて、旭勝利集会が開催された。会場には、毎月の東京駅丸の内北口AGC本社抗議行動を共に闘ってきた仲間を中心に100名を超える参加者が会場を埋めた。
2024年8月1日、韓国金属労組アサヒガラス支会(旧旭非正規職支会)は、9年を超える解雇撤回闘争の勝利の上に、正規雇用労働者として、初出勤した。7月11日、韓国大法院は、AGC韓国の派遣法違反を認め、当時の日本人社長・原納猛らが不法派遣容疑で起訴された刑事事件で、一審有罪判決(懲役6か月・執行猶予付)を覆し無罪とされた二審判決を差し戻すとともに、違法派遣に対して該当者をAGC正社員として雇用する義務を確認するとともに、解雇労働者のAGC正社員としての地位を確認した。9年を超える解雇期間について、正社員としての基準で賃金を支払うことも判決した。AGCが高裁判決でも支払いを拒否して供託してきた利子も含めると大きな金額になる。大法院が不当労働行為だけは認めなかったことは、闘いが道半ばであることも示した。
旭支会は、9年の闘争の総括と整理のために復職までの時間が必要だったが、AGC韓国は、判決の翌12日に組合員宛に強制出勤通知を発出して、7月15日8時30分までに出勤せよ、出勤しない場合は無断欠勤として懲戒すると通知した。旭支会は、出勤の代わりに門前宣伝戦で応えた。
韓国で旭非正規職支会の勝利は「歴史的な勝利」として、闘う労働者民衆から大きな感動をもって迎えられている。旭支会は、自分たちの闘争は「民主労組」の旗を守る闘争だった、いよいよこれから、念願の職場で「民主労組」運動を実践する第2幕に突入するとして、すでに激しく職場闘争を開始した。
日本の旭非正規職支会支援共闘会議にとって、この日の勝利集会は、夢のような幸せな時間だった。旭支会に、勝利は日本の同志と共に勝ち取ったものと言ってもらえることにこれまでの闘いの意味を再確認する。チャ・ホノ支会長は、本当であれば組合員全員で日本を訪問したかった、それが実現できず残念で申し訳ないと言った。しかし、どんな状況であっても最大の連帯を示す精神で、困難な中でこの日チャ・ホノ支会長、オ・スイル主席副支会長は短い日程で来日してくれた。台風接近で来日も危ぶまれたが、どんな困難も乗り越えて闘争を勝利させてきた旭闘争らしく日本での勝利集会は勝ち取られた。
集会は、冒頭、8月10日に旭支会の地元・亀尾市での勝利報告集会用に作成された勝利記念動画が上映された。旭闘争を共に闘ってきた仲間が、旭支会の9年を超える闘争を10分にまとめた感動的な動画だ。韓国の仲間が日本の同志と共同の作業で日本語バージョンを用意してくれた。(「旭非正規職支会闘争勝利報告大会の勝利記念動画」で検索すればユーチューブで視聴できる)
さらに労働者に寄り添う立場でニュース配信を続ける「ニュース民」が作成した8月1日の初出勤闘争の動画も上映された。こちらも日本語バージョンが用意された。(「旭硝子解雇労働者、9年ぶりに出勤」で検索すればユーチューブで視聴できる)
この2つの動画を見れば、旭支会の闘争がどれほどすばらしいのか、多くの言葉はいらない。参加者は、ともに闘ってきた日本の労働者民衆として、喜びと感動をかみしめたに違いない。
2人の組合員の発言もすばらしかった。「同志たちを通して国際連帯が何か、真の連帯が何かを学びました。おかげで、私たちも韓国で深い連帯をすることができました。」というチャ・ホノ支会長の発言がうれしい(全文後ろに掲載)。
日本の労働者を代表して動労千葉の佐藤正和副委員長、全学連の学生から決意の表明が行われた。
集会のまとめは、金元重顧問である。金元重さんは、旭支会の勝利を考えるときに、旭支会が裁判闘争に徹底的にこだわって勝利をもぎり取ったことが大事だろう、実力闘争で状況を切りひらきつつ、裁判闘争で勝つために闘いをやり抜いたことに学ぶ必要がある、この勝利に日本の階級的労働運動の前進で応えなければならないと熱く語られた。
力強い団結がんばろうで集会は終了した。
翌日、旭支会の2人は成田空港から帰国する前に、ぜひとも三里塚芝山空港反対同盟を訪問したいと希望して、短い時間ではあったけれど、市東孝雄さん、萩原富夫さん、伊藤信晴さん、現地闘争本部のみなさんと懇談の場を持つことができた。チャ・ホノ支会長は、「私たちが相手にしているのは一企業、みなさんのように国家権力を相手に闘うのはすごいことだ」と感動を語った。
そして2人は、ゆっくりする時間もなくまた闘いの現場へ帰って行った。
日本の旭支援共闘会議としても、これまでの支援を中心に連帯するあり方から、階級闘争を共に発展させる第2幕に飛躍することが問われている。旭支援共闘会議は、第2幕をどのような連帯として闘うのか、議論を開始する。
何よりも、11・3全国労働者総決起集会の大結集で、日本の階級的労働運動ここにありという姿を社会的に登場させなければならない。少数でも決定的な勝利を勝ち取ることはできるし、それは労働者民衆全体を獲得する力を持つ。旭支会と動労千葉の連帯と団結はこの深い確信によって支えられている。旭支会には、今回あらためて動労千葉・関委員長が、11・3への参加を要請した。日本の決意は伝えた。チャ・ホノ支会長は、職場の状況をみながら全体で議論すると約束してくれた。いずれにしても旭支会の偉大な勝利と実り多い連帯闘争の地平を、11・3の6000人結集に結び付け、さらなる飛躍に突入しなければならない。共に闘おう。
<8.30旭硝子支会チャホノ支会長発言>
同志の皆さん、パンガップスムニダ(こんばんは)。
9年の長い闘争が終わり、すでに2か月になろうとしています。
わが同志たちは、明るい表情で毎日出勤し、新たな人生を送っています。
同志の皆さんのおかげです。国際連帯を長い間続けてくれた同志の皆さん、本当にに有難うございます。
私たちは、8月1日から出勤しています。出勤してから明日で1か月になります。
数日前に月給ももらいました。不思議で、信じられない気持ちです。
闘争期間を含め、就業の経歴を認められ、私の年俸が4,700万ウォンです。
非正規職として2,500万ウォン程の年俸を貰っていたのが、正規職になり2倍の年俸をもらうとは信じられません。
非正規職と正規職の差別をあらためて実感しています。
私たちは今、民主労組をしっかり作って行かなければならない状況です。
旭非正規職支会は、総会を通して旭硝子支会に名称を変更しました。
労組事務所は、会社が現在工事中です。来月末から労組事務所に入り使用します。
私たちは、すでに現場労働者を対象に7回の宣伝ビラを配布しました。
企業労組の組合員は488名で、私たちは22名ですが、私たちの声の方がはるかに真実です。
現場の労働者たちは、私たちが配布する宣伝ビラをしっかり受け取り、正しいと親指を立ててくれます。
現場労働者の反応は熱いです。
民主労組がどれほど偉大なのか、あらためて現場で示すことができるように闘います。
わが同志たちも今日一緒に来ることができればよかったのですが、みんな出勤しました。私たちは、休暇をとって来ました。
わが同志たち全員が同志たちと共に勝利の喜びを分かち合い、喜んでいる同志たちと挨拶を交わしたかったのですが、私たち二人が代表として参加しました。多く参加できなくて申し訳ありません。
同志たちを通して国際連帯が何か、真の連帯が何かを学びました。
おかげで、私たちも韓国で深い連帯をすることができました。
旭闘争は歴史になりました。
韓国で多くの同志たちが旭闘争をすごい勝利だと言います。
多くの同志たちが、自分が勝利したように喜び、勝利の知らせに涙を流す同志たちも多くいました。
7月11日勝利し、私のケータイに引っ切り無しに電話がかかって来ました。電話を切ると、約10人から電話が来ていました。電話が途切れませんでした。本当に多くの同志たちと共に喜びを分かち合いました。
この9年は私の人生にとって最も幸せな時間でした。私の人生で最も輝く瞬間でした。
多くの同志たちに会い、団結をつくり、連帯を作り、資本に対して闘うことができ、幸せな時間でした。私たち旭支会22名の同志たちが誇らしいです。
今日、台風を突いて日本の同志の皆さんが共に勝利を分かち合うことができて幸せです。
団結と連帯で勝利した旭闘争、ここに止まらず、より前進できるよう闘います。
有難うございます。
<8.30オスイル首席副支会長発言>
同志の皆さん、パンガップスムニダ(こんばんは)。旭硝子支会首席副支会長オスイルです。
待ちに待った復職をしました。本当にうれしいです。9年以上長い闘争で得た勝利の喜びは言葉ですべてを表現することはできません。
最初に旭非正規職支会支援共闘会議の同志の皆さん、そして私たちと共に闘ってくれた日本の同志の皆さんに感謝します。そして22名が共に来ることができなくて申し訳ありません。
最近は、一日一日が新鮮です。旭硝子の不合理な会社規定を私たちは拒否しています。
旭硝子は、どうしていいのかわからない状況です、今まで誰も拒否したことがありませんでした。旭硝子の会社規定は、すなわち法律でした。
多くの労働者が見ている会社の食堂で社長に対して謝罪しろと大声で言いました。
慌てた社長の姿を多くの人が見ました。
現場で噂になり、多くの現場労働者が旭硝子支会に関心を持ったと話してくれました。
現場に入り、私たちはこのようによどみなく新たな闘いを展開しています。
会社は私たちを止めることはできません。現場で展開する第2幕の闘いも私たちが勝利する自信があります。
9年間経験した団結と闘争を現場でより一層一生懸命拡大します。民主労組をしっかり作って行きます。
見守って下さい。
旭闘争に大きな力になってくれた同志の皆さん、本当に有難うございます。
8・30旭非正規職支会支援共闘会議勝利集会 金元重顧問のまとめの発言
2018年5月26日に同じこの場所で支援共闘会議の結成集会を行った。動労千葉、群馬合同労組を中心に出発した。同じ場所で勝利集会ができることが感慨無量。アサヒガラス支会の闘いの特徴。なぜこの画期的な勝利を勝つ取ることができたのか。ひとつは支会の団結の強さ。和解の提案拒否。そして裁判闘争に全力を傾け集中したこと。3つの裁判。書類・証拠作り・証言…ものすごい努力をした。しかし裁判闘争をうまくやれば勝てるかというとそうではない。大邱地検に座り込み、全員が連行される…。ニュースになり、世論化した。大邱高検が地検に再捜査命令を出す。実力闘争抜きにはできなかった。裁判闘争を闘うのに実力闘争が伴っていた。高所ろう城闘争もやったが、裁判闘争に注力した。再調査命令出るとまた大邱地検ロビーに座りこみ、全員連行され、ローカルニュースに出る。社会化してひとつひとつ勝っていく。違法派遣の判決、一審原納猛当時社長に懲役6か月有罪判決、二審で逆転無罪判決、今度は裁判所に対する実力闘争をやる。こうやって勝ち取った大法院の勝利判決。国鉄闘争、関生闘争を闘うにあたって、いかにして裁判闘争と実力闘争をうまくコンビネーションをもって闘えるのか、大いに学び闘おう。