AGC株主総会抗議行動でのチャホノ支会長のオンライン・アピール

2022年3月30日、午前10時から、皇居前の東京會舘において第97回AGC株主総会が開催された。会場前には旭非正規職支会支援共闘会議や韓国サンケン労組を支援する会の仲間たち30数名が結集して、宣伝カーを使った抗議・宣伝戦が繰り広げられた。

この場で、韓国から旭非正規職支会チャホノ支会長とオンラインでつなぎ、アピールをしてもらった。この堂々たるアピールを紹介する。

 旭非正規職支会・チャホノ支会長アピール

 旭非正規職支会支会長チャホノです。日本の同志たち、おはようございます。

 昨年に続いて今年も旭硝子(AGC)株主総会に対応し、株主総会会場前で行動していただきありがとうございます。

 旭非正規職職支会は、旭闘争にいつも共に闘ってくれる同志たちがいて8年目の闘いを続けることができています。同志たちが共に闘ってくれるのでうれしく思います。

 AGCは犯罪企業であり、不法企業です。

 AGCは、韓国工場の不法行為が認められ、不法行為が明らかになっても未だに否定しています。AGC資本は、長い間派遣法に違反する不法行為を犯しました。

 韓国労働部は旭硝子のAGCの派遣法違反について行政命令まで出しました。

 裁判所も民事裁判におけるAGCの派遣法違反が明らかになり、解雇された非正規職労働者を正規職として雇用しろという判決を出しました。

 刑事裁判ではAGCファインテクノ韓国の元社長に懲役刑の判決を出しました。

 AGCの犯罪行為は明白です。AGCは不法行為を犯したのならそれに対して答えなければなりません。何の言及もありません。AGC資本は一言も発することなく沈黙しています。

 AGCは昨年、自分たちの不法行為を解決するために私たちに初めて提案してきました。解雇者22名を雇用するとすべきにもかかわらず、私を除外し、代わりに慰労金を出すという提案でした。

 22名全員断固として拒否しました。私たちは誰かを除外して合意することはできません。それが民主労組の基本精神です。

 AGCは私たちを分裂させようとしました。しかし、民主労組はそのように簡単に分裂などしません。AGCは未だに旭非正規職支会をよくわかっていません。そして自分たちが何を間違ったのか、わかっていません。どう責任取るのかもわかっていません。

 AGC闘争は、ここに来て慰労金を出し、一部雇用すると言っても闘いは終わりません。AGC闘争はAGC資本が合意しようとすれば終わるというものではありません。AGC闘争は私たちの意志によって終わるのです。

 長期に闘っているからといって簡単に合意できると思ったら大間違いです。

 旭非正規職労働者は7年前に労働組合を初めてつくった時の純真だった労働者ではありません。7年の闘いは私たちを団結させ、私たちははるかに堂々としています。私たちはどう団結するのか、どう闘うのかを学びました。

 AGC闘争は毎日毎日新しい歴史をつくっています。検察との闘い、非正規職労働者との共同闘争などは、民主労組の新しい道をつくっています。

 AGC闘争は韓国で多くの同志たちが支持し共に闘っています。

 必ず勝利する以外ない闘いです。

 

 同志の皆さん、AGC闘争を通して民主労組の力をみせてやります。

 少数でも民主労組の団結と階級的連帯の力がどれほど強いものかを見せてやります。

 同志たちと共に堂々と勝利します。

 同志の皆さん、共に闘ってくれてありがとうございます。トゥジェン!

韓国とオンラインでつなぎAGC株主総会へ抗議・宣伝行動

 2022年3月30日、皇居前の東京會舘にてAGC第97回定時株主総会が開かれた。新型コロナが収まらず、旭非正規職支会の訪日がかなわない中、日本の支援者30人余りが結集して、AGCに抗議の声をあげ、株主に訴えた。

 AGCファインテクノ韓国に旭非正規職支会が結成されたのは2015年5月29日。下請会社GTSの請負労働者138人が結集して職場でシュプレヒコールをあげた。しかしAGCは一か月後の6月30日に一斉メールで全員を解雇させた。「整理解雇」が口実だった。GTSは会社解散してしまう。

 旭非正規職支会組合員が、日本の本社に面談を求めて初めて日本に来たのは、その年の7月の暑いさなかだった。受け入れたのは動労千葉だった。以来、毎年のように訪日・本社への申入れを繰り返して、連帯を強め、旭非正規職支会支援共闘会議が結成されたのが2018年の5月だった。コロナのパンデミックでお互いの往来はできなくなったが、連帯は強くなった。

 やはり業界大手の日本企業・サンケン電気による偽装廃業・韓国サンケン労組組合員の全員解雇が「日本企業の食い逃げ」として批判をあびている。コロナを好機とした悪質な組合つぶしだ。日韓労働者の連帯の中に、希望がある。日本でも連帯と共闘を強めようという機運が作られ、この日のAGC株主総会行動にも韓国サンケン労組を支援する会の仲間たちが結集して、ともに声をあげてくれた。

 オンラインでつないでアピールしてくれたチャホノ支会長の言葉は力強かった。

 「旭硝子は私たちのことをわかっていない。私たちは解雇された時の私たちではない。長引かせれば思うような解決ができると思うな。解決を決めるのは私たちだ!」

 昨年8月に当時のAGCファインテクノ韓国の社長・原納猛に違法派遣罪で懲役6カ月の有罪判決が下された。昨年1月に島村琢哉現会長に代わって就任した平井良典社長は、ガバナンスの刷新をうたったが、それはなんだったのか?相変わらずの無責任と居直りを決め込んでいる。

 本社は責任を取れ!

 謝罪の上、組合員全員を今すぐ正社員として職場に戻せ!

 組合つぶしをやめろ!

 旭非正規職支会は、勝利するまで旭支会と共に闘う!

動労千葉・佐藤正和副委員長のアピール

韓国サンケン労組を支援する会の仲間の連帯アピール
韓国サンケン労組を支援する会の仲間の連帯アピール

韓国サンケン労組を支援する会・ノレの会の仲間が韓国の闘争歌を日本語でうたってくれた
全国労組交流センター飯田事務局長

顧問の金元重さんからアピール

AGC株主の皆様へ。AGCのコンプライアンスを正してください!

AGC韓国社長 懲役6カ月有罪!

違法派遣!不当解雇!解決は本社の責任!

 AGC株主のみなさん。市民のみなさん。
 7年前の2015年6月、AGC韓国子会社で働く請負労働者138人が旭非正規職支会を結成しました。するとAGC韓国子会社は、たった一ヵ月で組合員全員を解雇しました。私たち日本の支援共闘会議は、直ちに組合員全員を正社員として職場に戻し、謝罪することをAGCに要求します。
 昨年2021年8月11日、韓国テグ地裁キムチョン支院は、派遣法違反罪で、当時のAGC韓国社長の原納猛(はらのたけし)被告に懲役6ヵ月執行猶予2年、元GTS(請負会社)代表に懲役4ヵ月執行猶予2年を言い渡しました。法人としての旭硝子とGTSに罰金刑も課しました。違法を認識した上での行為で悪質と断罪されました。AGC韓国はAGC旭硝子の完全子会社、社長も本社の人事で派遣された社長です。
 旭非正規職支会組合員の解雇について、AGC本社は、子会社が行ったこと、子会社が適切に対応している、本社がコメントする立場にはないと、一貫して無責任と対応拒否を決め込んでいます。その一方で、一年余り前にAGCが用意した和解協議の中では、チャホノ支会長を除いて、全員を正社員として採用するという和解案を提示しました(協議は決裂)。この期に及んでも組合員を分断して労働組合をつぶそうというのです。
 AGCは、ご存じの通り、ガラス業界世界一のメーカーで、世界中に製造販売拠点を擁するグローバル企業です。この日本を代表するグローバル企業が韓国でやっていることは、社長が懲役判決を受ける違法派遣、そして労働組合つぶしの不当解雇です。このような日本企業による組合つぶしは埼玉県のサンケン電気の偽装廃業とともに韓国の多くの人々の怒りの的になっています。
 新型コロナウイルス感染拡大によって、韓国の組合員が日本に来て解雇撤回を訴えることができません。しかし彼らの長期・不屈の解雇撤回の闘いは、世界中の非正規労働者の希望の光であり、必ず勝利しなければなりません。
 株主向けの宣伝文句とは裏腹に、AGCはコンプライアンス違反を居直っています。平井良典社長は、ガバナンス刷新をうたって昨年社長に就任しましたが、無責任・無対応は島村琢哉前社長と何も変わっていません。株主のみなさんの良識でAGCのコンプライアンスをただしてください。労働者の正義のために、路頭に放り出されて7年を闘う旭非正規職支会組合員を正社員として職場に戻してください!

3・30AGC株主総会抗議行動へ

ただちに全員正社員で職場に戻せ!

 AGC(旭硝子)は2022年第97回定時株主総会を3月30日(水)10時から(受付開始9時)東京會舘3階(「ローズ」)にて開催することを株主に通知しました。7年前、AGC韓国子会社は、請負労働者138人が労働組合を結成して立ち上がるや、たった一ヵ月で組合員全員を解雇しました。旭非正規職支会支援共闘会議は、この株主総会において、即座に全員を正社員として職場に戻せ、謝罪せよ!と求める宣伝行動に立ちます。共に闘う仲間のみなさん、労働者市民のみなさんにともに声をあげて頂くようにお願いします。
 昨年2021年8月11日、韓国大邱(テグ)地裁金泉(キムチョン)支院刑事1単独裁判部(キム・ソンヨン裁判長)は、派遣労働者保護などに関する法律(派遣法)違反罪で、元AGC韓国社長の原納猛(はらのたけし)被告に懲役6ヵ月執行猶予2年、元GTS(請負会社)代表のチョン·ジェユン被告の懲役4ヵ月、執行猶予2年を言い渡しました。法人としての旭硝子とGTSにもそれぞれ罰金1,500万ウォン、300万ウォンを言い渡しました。AGC韓国はAGC旭硝子の完全子会社、社長も本社の人事で派遣された社長です。
 旭非正規職支会組合員の解雇について、AGC本社は、子会社が行ったこと、子会社が適切に対応している、本社がコメントする立場にはないと、一貫して無責任を決め込んでいます。一方で、昨年行われた和解協議の中では、チャホノ支会長を除いた全員を正社員として採用するという和解案を提示しました(協議は決裂)。分断して労働組合つぶしを貫こうという組合敵視を続けているのです。
 AGCはガラス業界で世界一のメーカーで、世界中に製造販売拠点を擁するグローバル企業です。この日本を代表するグローバル企業が韓国でやっていることは、社長が懲役判決を受ける不法派遣、そして労働組合つぶしの不当解雇です。このような日本企業による組合つぶしは埼玉県のサンケン電気の偽装廃業とともに韓国の多くの人々の怒りの的になっています。
 新型コロナウイルス感染拡大によって、韓国の組合員が日本に来て解雇撤回を訴えることができなくなっています。しかし彼らの長期・不屈の解雇撤回の闘いは、世界中の非正規労働者の希望の光になっています。日本の私たちは、彼らの分もしっかりと声をあげなければなりません。AGC株主総会抗議行動への結集・支援を重ねてお願いします。