9/2AGC本社抗議・申入れ行動、全国統一行動へ!

 7月13日、韓国大邱(テグ)高裁民事部は、旭非正規職支会組合員の地位確認訴訟の判決公判を開き、AGC韓国の控訴を棄却する判決を行った。AGC韓国が旭非正規職支会組合員たちを直接雇用しなければならないという判決である。
 昨年8月には派遣法違反刑事事件でも有罪判決(当時のAGC韓国社長に対して懲役6か月、AGC韓国に対しても罰金刑など)が出た。これで民事・刑事両方でAGC韓国の不当解雇が認められた。
 AGCは上告してあがいているが、判決は動かない。解雇から7年余り。さらなる時間稼ぎは許せない。
 チャホノ支会長は、「解雇された労働者が長い時間苦痛を受け、闘った、今日の判決は、至極当然の判決」「旭硝子が裁判所の判決に従って直接雇用を履行すれば、すべての事は終わる。あらゆる特恵を受け、大韓民国の法を守らない日本企業旭硝子は今日の判決を必ず履行しなければならない」と語った。
 AGC(旧旭硝子)は、ガラス業界世界一のメーカーで、世界中に製造販売拠点を擁するグローバル企業だ。この日本を代表するグローバル企業が韓国で、悪質な違法派遣を行い、立ち上がった労働組合に対してたった一か月で、メール一本で全員解雇した。それから7年に渡って時間稼ぎと兵糧攻め、告訴などで労働組合つぶしを続けてきたのだ。私たち旭非正規職支会支援共闘会議は日本の労働者市民として、このようなAGCの横暴を決して許さない。
 AGCは、韓国大邱高裁判決に従い、即刻組合員全員を直接雇用して、職場に戻せ!不当解雇から7年、謝罪して誠意を示せ!皆さんのご支援をお願いします。

裁判所、「AGC旭硝子は解雇者に賃金64億ウォン(約6億5600万円)を支払わなければならない」と判決!

8月19日、韓国大邱地裁はAGC旭硝子に対して、計64億ウォン(※約6億5600万円)を旭非正規職支会組合員22人に違法解雇の損害賠償として支払うことを判決した。会社の時間稼ぎはもう通用しない!

ニュース民から転載します。

https://www.newsmin.co.kr/news/76717/?fbclid=IwAR0xMuxjFk3IF9BCnWwy9I_ZD9HeDgx2b2elVqznADRpZzVUG1zULVPvBUw&ckattempt=1

裁判所、「旭硝子、解雇者に賃金64億ウォンを支払わなければならない」
Byパク·ジュンヨプ-2022-08-1911:11



 裁判所が亀尾朝日グラス(AGCファインテクノ韓国株式会社)が解雇労働者に計64億ウォン(※約6億5600万円)余りを支給しなければならないと判決した。 不当解雇期間に支給しなかった賃金を支給しなければならないという趣旨だ。

 19日(注:2022年8月)午前10時、大邱(テグ)地方裁判所金泉(キムチョン)支所第1民事部(チャン·ジェウォン裁判長)は、旭硝子解雇者22人が会社を相手取って起こした損害賠償請求訴訟で、原告勝訴判決を下した。

裁判所は「被告が原告に請求した金額のうち64億130万ウォンを認容する」と判決した。

解雇者たちが請求した賃金の大部分が認容された金額だ。 解雇者たちは会社を相手に提起した勤労者地位確認訴訟1審で勝訴した後の2019年10月、旭硝子を相手に不当解雇期間に支給しなかった賃金64億900万ウォン余りを支給せよと訴訟を提起した。

解雇者たちが請求した64億900万ウォン余りは解雇者たちが旭硝子下請け業者所属で在職した当時に受け取れなかった賃金と解雇後に受け取れなかった賃金に分かれる。旭硝子在職期間に下請け業者賃金ではなく旭硝子賃金を支給しなければならず、解雇以後2020年12月までの賃金も支給しなければならないという内容だ。

金属労組の旭非正規職支会は判決文を確認した後、会社側に対する仮執行可否を決める計画だ。

金属労組旭非正規職支会のナム·ギウン首席副支会長は「長い時間がかかったが幸いであり、歓迎する」とし、「もう一度解雇者の闘争が正当だということが確認された」と話した。

パク·ジュンヨプ記者

解雇7年ぶりに得た「勝訴」-旭硝子法律闘争記

韓国「民主社会のための弁護士の集い」のホームページに旭非正規職支会の裁判闘争をともに闘ってきたチャン・ソクウ弁護士の手記が掲載されました。転載させていただきます。

チャホノ支会長のフェイスブックの紹介文

「旭法律闘争の勝利は張錫佑(チャン·ソクウ)弁護士の力だ。 私たちが起訴された事件も一晩中警察資料を見て、隙間を探して無罪を作った。 1審勝訴の日、裁判所前でチャン·ソクウ弁護士の胴上げをした。 一生忘れられない日だ。 チャン弁護士の旭闘争7年の感想文だ。」

http://minbyun.or.kr/?p=52709&fbclid=IwAR06_v7i25SBFnYVXNSuYGup3E12kSFMdh9ivf3dEuN-ka8k3uuvFjlyOIk&ckattempt=1

[会員寄稿]

2022年8月1日minbyun151

解雇7年ぶりに得た「勝訴」

アサヒグラス法律闘争記

作成:チャン·ソクウ会員

[長い闘争の始まり]

2015年夏のある日、アサヒグラス社内下請け労働組合のチャ·ホンホ委員長が赤い闘争ベストを着て初めて金属法律院に訪ねてきました。 当時、私が亀尾支部担当だったので自然に繋がりました。 労働組合を作って1ヶ月ぶりに全員解雇されたとし、まもなく金属労組支会に編制される予定なので刑事問題などと関連した法律支援を要請しました。 また、不法派遣と不当労働行為で元請けに対する雇用労働庁告訴を準備していると言いました。 しかし、当時までに確保された証拠は元請け業務文書数枚とあまり役に立たない元請け職員との通話録音記録。 文字いくつか 組合員数分の陳述のみ 民事は今すぐ入れば百戦百敗なので、じっくりと証拠を収集してみようと言いました。

[相次ぐ敗訴と有罪宣告]

仮処分と各種刑事事件に対する法律支援を最初にすることになりました。 支会は会社前の歩道にテントと垂れ幕などを設置して闘争拠点としていたし、会社は手順通りこれを防ぐために撤去などの仮処分を申請します。 出勤闘争と会社前集会などで元請け職員、警備員らとの衝突が発生し、検察は組合員らを共同住居侵入、業務妨害、傷害、侮辱など様々な罪目で起訴し、数件の刑事裁判が同時に進行されました。 テントは行政代執行で撤去され、公務執行妨害、共用物損傷などの事件が相次いで起こりました。 敗訴と有罪判決が相次いでいましたが、旭同志たちは屈しませんでした。 戦列を整備してテントを張り直しました。 幸い誰も拘束されませんでした。 当時、同志たちはあまりにも切迫しており、合法的にできるすべてのことを果たしました。 非正規職闘争に対する被告人最終陳述を淡々とする時には法廷がいつも粛然となりました。 判事たちも人間なので、そのような点が少しでも反映されたのではないかと思います。

[反撃の転機]

膠着状態は同志たちの執拗さで突き抜けました。 告訴以後、亀尾雇用労働支庁担当勤労監督官をほとんど毎日急きたてました。 数多くの同志が告訴人と参考人として調査を受けました。 担当勤労監督官は2年間の調査過程で不法派遣と関連して5千ページ余りの捜査記録を確保し、大邱地検金泉支庁に派遣法違反起訴意見で事件を送致すると伝えました。 これから民事訴訟も始めなければならない時だと判断しました。 そして2017年7月、大邱地方裁判所金泉支院に訴状を提出します。 亀尾雇用労働支庁は同年8月末、起訴意見送致と共に是正措置を下し、元請けがこれを履行しなかったため17億8千万ウォンの過料を賦課しました。

[もう一度の試練]

2017年12月、大邱地検金泉支庁は亀尾雇用労働支庁の判断を覆し納得できない理由で不起訴処分をします。 これで捜査記録に対して文書送付を嘱託しても検事裁量で個人情報、捜査機密、企業秘密など各種理由を挙げてしない可能性が高くなりました。 その場合、再び情報公開請求をして支庁長が拒否処分をすれば、それに対する取り消し訴訟をしなければならない至難な過程を経なければなりません。 目の前が真っ暗になりました。

[希望一切れ]

今回も突破口は組合員たちが見つけました。 記者会見、担当検事室訪問、電話、むやみな「ポチギ」(取材、待ち伏せ?)、支庁長面談要請等を通じて捜査記録の一部謄写を約束されました。 要請した書類のうち4/5程度は文書送付嘱託により受け取ることができました。 検討してみたらあきれました。 元請けが作業量、作業方法、作業順序、作業時期など作業遂行過程に介入した各種作業指示書類が堂々と存在しました。 一部の業務に対しては元請けと協業して共同作業をしたという元請け関係者たちの陳述も多かったです。 一緒に検討したキム·ユジョン弁護士がどっしりと一言投げました。 「チャン弁護士、不法派遣に違いない。」勇気を得て抗告状を書き、国会討論会、記者会見を通じて世論化を試みました。 この時、イ·ヨンウ弁護士が代理人団に合流しました。 千軍万馬を得たような気持ちでした。

[ひっくり返す]

実は検察抗告に大きな期待をしていませんでした。 ところが大邱高等検察庁担当検事が異例的に対質尋問(両者の意見が食い違う場合、両者をつき合わせて尋問する事)をすると言いました。 半信半疑しながらチャ·ホノ支会長と一緒に大邱に向かいました。 下請け代表、管理者と共に午前9時半に始めた調査が深夜12時を過ぎてようやく終わり、計60ページの調書が作られました。 調書の内容を検討し、支会長と目つきを交換しました。 「ひっくり返す!」 2018年5月に再起捜査命令が下され、金泉支庁で補完捜査を経て2019年2月事件は最高検察庁捜査審議委員会に移されました。 検事側、元下請け弁護人側、私とキム·ユジョン弁護士のPPT(パワーポイント)、事前提出意見書に対する質疑応答があり、当日の夜、委員会は起訴を勧告しました。 それから2日後、金泉支庁は元下請け会社と代表取締役を派遣法違反で起訴しました。

[勝訴]

1審では2回の現場検証と多くの元請け職員に対する証人尋問、PPT弁論などを含め計12回の弁論期日が進行されました。 会社側の代理人だったキム&チャンは無理だと思うほど知らんぷりで一貫しました。 文書提出命令を申請すれば、そのような文書を保管していないとか、企業秘密が含まれていて提出できないとほとんど全てを拒否し、裁判所はその主張を受け入れました。 証人たちの返事もだいたい知らないとか思い出せないと言いました。 証人として出てきた元請け職員と一緒に仕事をした原告が2年間一緒に仕事をしたのに、私を覚えてもいないのかと泣きながら質問すると、やむを得ず覚えていると言ったこともありました。 無線機を持ち歩きながら相互業務連絡をしたこともずっと覚えていないと言っていたが、裁判長が非難すると、ようやく返事をしたりもしました。 しかし、そのような会社側の弁論方向は効果的ではありませんでした。 1審の結果は原告らの完全勝訴でした。

[また勝訴]

2審では一度の現場検証と証人尋問、PPT弁論など計6回の弁論期日が行われました。 刑事結果を待つと長期間推定されていましたが、幸い元下請け会社と代表理事は2021年8月刑事1審で派遣法違反の有罪判決を受けました。 証拠はまたズンと入ってきました。 会社側代理人は太平洋に交替されましたが、これらの主な戦略は工程別の割り引きで、一部の工程のみ執拗に食い下がっています。 2審進行中に私は休職に入り先発投手の席から降りてきて、監督キム·ユジョン弁護士は法律院の不法派遣エース、タク·ソンホ弁護士を救援投手として召還、イ·ヨンウ弁護士とダブルストッパー体制を構築させました。 代理人団は相手フレームに巻き込まれず、新たに確保された証拠を検討し、精巧に既存の主張を補完し、結果は控訴棄却! ついに旭同志たちの復職の道が遠くありません。

[感想]

「天は自ら助くる者を助く。」

旭の同志たちを見ると、しばしばこの言葉が思い浮かびます。 会社側のあらゆる懐柔、圧迫、告訴告発、仮処分、損害賠償請求などに全く屈せず、7年以上耐えました。 そのように難しい戦いをする渦中にも全国を回りながら苦しい闘争現場に心強い連帯の力を加えました。 これは再び新しい連帯を生み出し、一般市民の関心と応援まで呼び起こしました。 まさにこれが旭同志たちが地域に孤立せず、疲れずに戦い続ける原動力だったのでしょう。

また、山場の度に良い人たちにたくさん会いました。 根気で数千ページの記録を確保し、金泉支庁に何度も起訴意見報告書を載せたパクOO、アンOO勤労監督官、その記録を頭の中に全て把握したまま下請け代表理事と担当者を追い詰めて覆す調書を作り出し、再起捜査命令を下したチャンOO検事、補完捜査を通じて核心証拠を補強し、最高検察庁捜査審議委員会と刑事1審公判まで直観(直接関与?)したパクOO検事 すべて同志たちの執拗さが作り出した縁です。

私たちの代理人団も呼吸がとてもよく合ったと自評します。 金属法律院長の金裕貞(キム·ユジョン)弁護士は弁論の大きな方向を設定し、残りは信じて任せて絶えず勇気を吹き込む(NoFear!)リーダーでした。 私とイ·ヨンウ、タク·ソンホ弁護士は各種書面作成と法廷弁論、現場検証参加、証人尋問、記者会見、言論寄稿、討論会参加など実務役割を分担して遂行しました。 代理人団は旭同志たちが現場に戻るその日まで最高のチームワークを維持し、後で、時にはそばで助力に最善を尽くします。

地位確認訴訟高裁勝利の宣伝戦

旭非正規職支会チャホノ支会長からシェア!闘争!

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久しぶりに宣伝物を配った。正規職労働者の雰囲気が変わった。 宣伝物をよくもらう。 新しく来た若い警備が宣伝物の配布を妨害して喧嘩をして謝罪される。 正当な労組活動という概念不足。 少しずつ変わると信じている。

<宣伝物>

裁判所の判決、履行せよ!

7月13日、大邱高裁は控訴審裁判で「旭グラスは解雇者を直接雇用せよ」という判決を下した。 民事2審を通じて旭硝子の不法行為が明白であることを再度確認した。 会社はひたすら時間ばかり稼いでいる。 結局、解決しなければならない問題が引き続き積もっていく。

8月19日は賃金損害賠償の宣告がある。 金泉裁判所でアサヒグラスが解雇者に支払わなければならない2020年までに賃金60億に対する損害賠償宣告がなされる。 今や会社は草刈りガマでも鋤でも止められない状況になった。

裁判所の判決は履行せずに持ちこたえたからといって問題は消えない。 労働組合を相手にするために使った費用と不法は隠すことができない。 裁判所の判決を無視して受ける社会的指弾はさらに大きくなる。 方法は労使が向かい合って円満に解決しなければならない。 労働組合はいつでも解決する準備ができた。 対話は開かれている。

旭硝子は裁判所の判決を履行し、円満に解決するための努力に最善を尽くせ!

賃金ピーク制で奪った賃金を直ちに返せ!

2015年から非正規職労組を相手にするために途方もない費用が使われた。 その費用を満たすために正規職労働者の賃金を数年間凍結した。 数百億のお金をとんでもないところに注ぎ込み、労働者の賃金は引き続き凍結した。 今年やっと物価上昇分にもならない2.75%を賃上げと引き上げた。

会社は賃金ピーク制が違法だという最高裁の判決が出ると、急いで55歳から適用していたものを58歳に変更した。 それさえも過ちを認めて変更したのは幸いだ。 しかし、不法ではないと主張している。 不法でなければ、あえて58歳に変えることがあるのか。

賃金ピーク制で奪った賃金を直ちに返せ。 訴訟する前に自ら返さなければならない。 企業が法を守らなければ数多くの労働者が被害を受ける。 旭硝子はより常識的な企業に、少なくとも法は守る企業に生まれ変わることを望む。

金属労組亀尾支部旭非正規職支会

解雇から7周年!勝利へ進撃!

2022年7月13日、韓国大邱(テグ)高裁勝利判決を喜ぶ組合員たち

 2022年7月13日、韓国大邱(テグ)高裁民事部は、旭非正規職支会組合員が提起した勤労者地位確認訴訟1審で、敗訴した会社側が提起した控訴審裁判の判決公判を開き、「控訴を棄却する」と判決した。亀尾(クミ)市にある旭硝子(AGCファインテクノ韓国株式会社)が非正規職解雇労働者たちを直接雇用しなければならないという判決である。2019年8月下した原審と同じ判決だ。昨年8月、会社側の派遣法違反刑事事件も有罪判決だったので、民事・刑事で旭硝子の不当解雇が認められた。

 裁判所は、「審理と現場検証も行った。被告(旭硝子)が1審判決に誤りがあり、誇張されたとした部分も、十分に審理した」とし、「最高裁が判断する派遣法勤労者に対する使用関係基準で見ると、原告たちに使用権を行使した」と説明した。

 この日判決直後、大邱高等裁判所前で開かれた記者会見で、解雇者側弁護士のイヨンウ弁護士は、「民事・刑事過程から裁判所と捜査機関がかなり徹底して内容を調べた。異例の現場検証も何回も行った。このように確認された内容が今日の勝訴に帰結した」とし、「会社が上告審に行っても、長い期間の注意深い判断があるので、予想するに、審理不続行で4か月以内に終わるだろう」と話した。

 続けて「製造業社内下請けで、請負として偽装した形態の雇用が認められないことを確認した。劣悪な地位の間接雇用労働者が容易に解雇される現実に裁判所が終止符を打ったもの」と付け加えた。

 チャホノ金属労組旭硝子非正規職支会支会長は、「解雇された労働者が長い時間苦痛を受け、闘った、今日の判決は、至極当然の判決」と言い、「旭硝子が裁判所の判決に従って直接雇用を履行すれば、すべての事は終わる。あらゆる特恵を受け、大韓民国の法を守らない日本企業旭硝子は今日の判決を必ず履行しなければならない」と話した。

 (以上、韓国『ニュース民』より https://www.newsmin.co.kr/news/75328/?ckattempt=1

 いよいよ解雇を撤回させて、全員が正規職として職場に戻る局面に突入した。韓国非正規職撤廃闘争の大きな勝利が勝ち取られようとしている。

 これに先立って、日本の旭非正規職支会支援共闘会議は6月30日、解雇7周年、解決から逃げ続けるAGC旭硝子本社に対する抗議行動とデモを闘った。目覚ましい日韓労働者連帯の力で勝利した韓国サンケン労組を支援する会の仲間も多数かけつけてともにデモに立った。

6・30AGC本社デモ
6・30AGC本社抗議行動
AGC本社前で連帯写真

 韓国では、巨済(コジェ)にある大宇(テウ)造船で下請け非正規労働者の決死のストライキとろう城闘争が闘いぬかれている。韓国の非正規労働者と労働者全体の未来をかけた命がけの闘争だ。これに民主労総も金属労組もすばらしい支援連帯闘争を組織している。その先頭に旭非正規職支会が立っている。この闘いの連帯のために旭非正規職支会は自分たちの7周年闘争を延期した。しかし、大宇造船闘争の画期的地平をわがものとして、7月10日、7周年闘争が感動的に勝ち取られている。

巨済・大宇造船工場前に集まった労働者(7/8)

狭い檻に自らを閉じ込めてストとろう城闘う大宇造船非正規労働者
AGC韓国工場前で解雇7周年集会。並んだ旭非正規職支会組合員たち
AGC韓国工場前のろう城場で解雇7周年集会。

 労働者はひとつだ。日本の労働者も韓国の労働者とつながり、さらに闘おう。7月21日、AGC旭硝子本社抗議行動への結集を呼びかけます。

6・30解雇7周年AGC本社抗議行動へのチャホノ支会長のアピール

山本議長はじめ旭闘争支援共闘会議の同志の皆さん、そして共に参加してくれた同志の皆さんありがとうございます。

今日は旭非正規職労働者が7年前、メール一つで解雇された日です。

旭闘争満7年になる日、日本で同志たちが忘れず、こうして闘争してくれてありがとうございます。旭闘争7年を耐え抜き闘うことができる力を今日同志たちが示してくれています。

7年前、旭資本がメールで178名もの労働者を解雇するとは思いませんでした。メールで解雇の通告を受け、びっくりしました。もっと驚いたのは、私たちが7年を闘うことができるとは思っていなかったことです。旭資本も驚いたことでしょう。また、旭資本は日本の同志たちがこうやって共に闘うとは考えもしなかったでしょう。

資本は私たちをたった1度驚かせましたが、私たちは今まで資本をたびたび驚かせて来ました。民主労組の力であり、労働者闘争の力です。

旭資本は1年前に21名を雇用するという立場を明らかにしました。旭資本は拒否されて以降、現在まで何の立場も明らかにしていません。どんな対話も行われていません。でも大丈夫です。時間が長くなったからといって、急いではならないと考えます。早く終わることより、正しく終わることが重要です。

旭闘争は韓国の非正規職闘争にとって意味ある闘争です。少数の組合員が闘っている闘争ですが、旭闘争は重要な道を作っています。日本の同志たちの献身的な連帯を学びながら、韓国で旭非正規職労働者は必ず必要な闘争に最優先で駆けつけ連帯の精神を示しています。

長期間闘っていても、資本に屈せず、22名の組合員が団結し、民主労組の精神を守り、闘っています。

旭資本が固辞している理由は、ひとつです。労働組合が恐ろしいからです。工場内で労組を絶対受け入れたくないからです。

グローバル企業、旭資本は反労働組合と労働組合に対する嫌悪を持っている企業です。グローバル企業らしくない非常に閉鎖的な企業です。労働に対する認識も浅薄です。

旭硝子は結局私たちの闘いを通して変わります。だから旭闘争は単に韓国で22名の解雇者の闘争ではありません。より大きな価値と意味がある闘争です。

旭闘争は必ず勝利します。旭闘争の勝利は私たちすべての勝利になるでしょう。その日まで同志の皆さん、健康に気をつけてください。ありがとうございました。

7/21(木)AGC本社抗議・申入れ行動

東京駅丸の内北口に15:30集合、その後新丸の内ビルに移動

労働者を路頭に放り出して7年!6・30AGC本社包囲デモへ!

 7年前の2015年6月30日、AGC韓国子会社は下請会社の178名全員を突然解雇しました。労働組合結成からたった一ヵ月、メール一本での全員解雇でした。組合つぶしの不当労働行為の判断を受け、当時の日本人社長は不法派遣で懲役6カ月の判決を受けています。しかしながらAGC本社は、組合つぶしの意思を継続し、解雇労働者を7年も路頭に放り出したままです。私たちは、直ちに組合員全員を正社員として職場に戻し、謝罪することをAGCに要求します。6月30日には不当解雇7周年AGC本社包囲デモを行います。ぜひ皆さんのご参加をお願いします。
 
 5/19、韓国検察庁は、旭非正規職支会チャホノ支会長に対して、集会・示威法違反·共同財物損壊容疑で懲役10カ月の求刑を行いました。他の5人にも罰金刑の不当求刑です。2019年6月の解雇4周年の抗議行動に対するものです。AGCに対して懲役6カ月の求刑だった検察が、不当解雇に抗議する労働者には懲役10カ月の求刑を行ったことに怒りが広がっています。
 ウクライナで戦争が始まり、東アジアでも中国・北朝鮮をめぐって、戦争準備が急ピッチで動き出しています。韓国では、米日韓の軍事同盟強化を主張し、新自由主義を賛美し、検察の権限強化を掲げるユン・ソンニョルが大統領になりました。労働者が、戦争に反対し、労働者の生活と命、権利のために、国境や民族を超えて闘わなければなりません。労働者の団結と連帯、闘う労働組合を作り出すことは、日本の労働者・市民の差し迫った課題です。

 AGCは、ご存じの通り、ガラス業界世界一のメーカーで、世界中に製造販売拠点を擁するグローバル企業です。この日本を代表するグローバル企業が韓国でやっていることは、社長が懲役判決を受ける違法派遣、そして労働組合つぶしの不当解雇です。ガバナンス刷新をうたって昨年就任した平井社長も何も変わりません。このような日本企業による組合つぶしは埼玉県のサンケン電気の偽装廃業とともに韓国の多くの人々の怒りの的になっています。このような日本企業の横暴を許しません。ご支援をお願いします。

2022年5月26日AGC本社抗議行動

AGCは全員を正社員として戻せ!

2022年1月19日、雪の降る韓国・亀尾(クミ)のAGC韓国工場前のろう城場で、旭水曜文化祭が開かれた。不屈の解雇撤回闘争は様々な苦難と困難を超えて、非正規職撤廃・全員の正社員としての職場復帰に向けて前進している。

日本では、1月13日にAGC旭硝子本社抗議行動が取り組まれた。コロナ・在宅勤務を理由に相変わらず申入れから逃げる本社。許せない。

この日は、毎週恒例の韓国サンケン労組を支援する木曜日行動があった。早朝から埼玉県新座市・志木駅に近いサンケン電気本社前に、旭非正規職支会支援共闘会議からも結集して、志木駅前行動、池袋の東京事務所行動もともに闘った。これを引き継いで韓国サンケン労組を支援する会の仲間3名がAGC旭硝子本社抗議行動にも参加してくれた。日韓連帯の旗のもとに連帯と共闘が広がっている。

東京駅丸の内は名だたるグローバル企業が集まっている。ここから日本の国際連帯をさらに広げたい。

1月13日サンケン電気に対する韓国サンケン労組を支援する会の行動

1月19日には神奈川の仲間たちが川崎のAGCテクニカルセンター(旧、AGC京浜工場)へビラまき行動を行った。地道な活動が継続されている。

非正規職労働者の正当な叫び、犯罪にするな

非正規職撤廃!2021年10月20日のゼネスト闘争にたつ非正規労働者

https://www.pressian.com/pages/articles/2021110315182207508#0DKU

(プレシアン 2021.11.3)

”不法派遣使用者処罰”を叫んだ非正規職労働者に懲役5年6か月を求刑した検察

〔寄稿〕非正規職労働者の正当な叫び、犯罪にするな

チャホノ金属労組旭正規職支会|2021.11.3


去る10月19日ソウル中央地方裁判所所管509号法廷で裁判があった。17名が法定に立った。現代起亜車、旭硝子、韓国GM、自動車販売代理店などで働いている非正規職労働者たちだ。

 この日検事の求刑があった。検事は17名に総計’懲役22年6か月’を求刑した。起亜車華城(ファソン)工場非正規職キムスオクは’懲役5年6か月’を受けた。一体どんな重罪を犯して検事は’懲役22年6か月’もの求刑をしたのか。最初に求刑を聞いた時耳を疑った。あまりにも途方もない話で笑ってしまった。時間の経過に伴い大事だと思うようになった。

2019年、ソウル雇用労働庁前のテントで。現代車華城(ファソン)工場の非正規職·キム·スオクさん

 2018年7月現代起亜車非正規職11名はソウル地方雇用労働庁抗議籠城を行った。11名は雇用労働部に直接雇用是正命令を要求し労働庁の籠城に入った。この事件が共同住居侵入で、特殊建造物侵入未遂になった。その過程で抗議書簡の伝達を妨害する警察との言い合いになった。警察は4週間の治療を要する打撲を受けたと主張した。しかし負傷した警察官は次の日集会現場で無傷で勤務していた。病院には行かず、薬の服用もなかった。警察官は以後2か月間一日も休暇を取らなかった。この事件が特殊公務執行妨害致傷になった。

 2018年10月現代起亜車、旭硝子、韓国GM非正規職6名は最高検察庁ロビーに入った。不法派遣犯罪者を処罰しろと要求した。検察から何の回答もなく、6名は全員引き上げた。この事件が共同住居侵入になった。2019年1月起亜車と旭硝子非正規職6名は、青瓦台100m以内で小さなプラカードを広げ「不法派遣使用者処罰」、「非正規職を止めよう」と叫んだ。この事件が集示法違反になった。

 このような事件を集めて検察は懲役22年6か月を求刑した。検察はこの闘争を代表した人物としてキムスオクに目を付け標的にした。

 2013年韓国GMリックライリー社長は不法派遣で罰金700万ウォンを受けた。旭硝子日本社長は不法派遣で検察の求刑懲役6か月を受けた。現代起亜車は不法派遣について10余年間起訴すらされなかった。検察は最近現代起亜車を起訴した。労働者の誰かが死に、数十名が拘束されてはじめて不法を思いのままにする使用者一人を拘束させるという話がまさにしっくりくる。

現代起亜車非正規職労働者たちはソウル雇用労働庁の籠城に入ったが、雇用労働部は最後まで是正命令を出さなかった。2019年8月キムスオクは再び47日間の断食籠城を行った。断食で体重が20キロ以上も落ち、呼吸困難で結局病院に運ばれた。雇用労働部と検察が不法派遣についてまともに処罰していたら労働庁の籠城や断食籠城はなかった。行政機関の故意の職権乱用を見て黙っていろというのか。

 検察の物差しは公正でもなければ常識的でもない。やりきれない非正規職労働者たちの苦しみは解決してもらえず、むしろ叩くことに懸命になるのが検察なのか?公公然と不法を犯す大企業は処罰することができず、やりきれない非正規職労働者たちについては加重処罰する。検察が労働者を処罰するように全く同じ物差しで使用者を処罰したなら不法派遣はすでになくなっている。そうなっていれば非正規職がわざわざ集まり検察を相手に闘うか。

 検察の求刑を見て恐ろしく思った。’懲役5年6か月’の検察求刑は労働者すべてを怯えさせ脅迫するものだ。検察の刃は非正規職ではなく数十回の不法派遣判決を受けても履行しない使用者たちに向けられなければならない。裁判所に望む。検察と同じように非正規職労働者たちの正当な叫びを犯罪として扱ってはならない。われわれは犯罪者ではない。

 

11・6国際連帯集会へのメッセージ

 2021年11月6日、千葉市文化センターにて国際連帯集会が開催され、コロナ下にあっても、揺るがない国際連帯集会として勝ち取られました。

 例年、11月全国労働者総決起集会の前段として開催されてきたのが国際連帯集会です。コロナパンデミックの前には、韓国民主労総ソウル本部からの数十人の派遣団を先頭に、アメリカ、台湾、ドイツなどからの訪日団を迎えて、貴重な国際連帯の場となってきました。コロナで海外からの派遣団を迎えることができない今年は、去年と同様に、海外からのビデオメッセージなどを中心にしながら、中止することなく国際連帯の前進のために集会を開催して成功することができました。

 とりわけ在日ビルマ市民労働組合の仲間が集会に参加して、熱烈なアピールをしてくれました。翌日の全国労働者総決起集会でも数十名の在日ビルマ市民労働組合の仲間の怒りと決意にあふれたアピールとコールが労働者の国際連帯の意志を示してくれました。

 韓国では、10月20日の民主労総のゼネストと全国での大集会がムンジェイン政権の弾圧を打ち破って闘われました。10月30日には「非正規職もうやめろ共同闘争」の第一次「ろうそくの火を再び」行動が取り組まれ、11月12日にはチョンテイル橋から光化門への行進が計画されています。

 国際連帯集会には、その先頭に立っている旭非正規職支会から、熱い連帯ビデオメッセージが届きました。旭非正規職支会支援共闘会議を代表して清水彰二事務局長から、報告と提起が行われました。

 以下、紹介・掲載します。

10・20ソウルでのゼネスト行動
10・20ソウルでのゼネスト行動

10・30非正規職もうやめろ共同闘争 ろうそく集会

旭非正規職支会と共に解雇撤回をもぎ取ろう

旭非正規職支会支援共闘会議事務局長 清水彰二

 旭非正規職支会支援共闘会議事務局長の清水です。群馬合同労働組合の委員長、合同一般労働組合全国協議会の幹事をしています。

 旭非正規職支会と民主労総の闘いについては報告と紹介がありました。ビラも資料で用意していますのでご覧ください。私からは、日本で支援共闘会議を組織して連帯闘争を闘う意味について、話をさせていただきます。

 支援共闘会議は2018年5月に結成しました。それに先立つ3年間の動労千葉を軸とした支援連帯の取組みがありました。民主労総ソウル本部を窓口として、旭支会の日本のAGC旭硝子本社に対する抗議行動の受入・サポートを打診されたところから始まりました。支援共闘会議を結成した意味は、新型コロナの状況の中であらためて明確にさせる必要があります。正規職として組合員全員の復職を勝ち取るために、日本で同じ立場と気持ちで、AGC旭硝子本社の責任を追及して闘うことが求められていると思います。

 AGCが、業界世界1の立派な会社だなどと涼しい顔でいられない状況を作るということです。解決せざるをえない状況を作り出す。そのために彼らと同じ気持ちで、考え、行動する。大したことができるわけではありません。しかし、日々彼らの闘いに心を寄せ、日常的にSNSでつながりながら、ビラを作り、ブログを作り投稿し、本社への抗議申入れ行動を繰り返す。

 そういう立場で闘いを継続することで、コロナの状況の中でもしっかりと連帯と団結を強めてきました。

 一つは、株主総会や本社に対する抗議行動を続けてきました。

 コロナで中止になってしまいましたが、前の島村社長が住む鎌倉の高級住宅街への抗議デモも計画しました。

 今年の夏には、違法派遣でAGC韓国の原納猛社長に6カ月の懲役判決が出されました。私たちは本社に解決を迫る抗議デモを行いました。この時、警視庁が東京駅丸の内にある本社へのデモのコースを、認めませんでした。おそらく皇居があるからです。2回目のデモで、ならば皇居と天皇制もいっしょに弾劾して闘う、デモコース変更には応じないという決意を固め、その立場を表明しました。そうすると警視庁は、デモコースを認めざるをえなくなり、本社へのデモを実現しました。

 コロナに乗じて、韓国で民主労組破壊を企てた日本企業が他にもあります。埼玉県新座市に本社を置くサンケン電気です。日本企業による組合つぶしを許さないと韓国で旭支会とサンケン労組が連帯を強化する闘いが始まりました。日本で全労協を中心として韓国サンケン労組を支援する会が結成され、また埼玉市民の会も結成され、毎週、本社や支店・営業所に対する抗議行動が闘われています。5月10日には本社に対して申入れを行おうとした株主でもある尾澤孝司事務局次長が不当逮捕され、起訴、いまだに勾留されています。韓国でも「食い逃げ企業」と大きな抗議がまきおこっています。旭支援共闘会議は、昨年末以来、日本でもお互いの連帯を強めなければならないと議論をして、門前行動や集会・デモへの参加を決めて取組みを開始しました。9月4日の旭支援共闘会議の結成3周年集会には韓国サンケン労組を支援する会から多数の参加と連帯の挨拶を受けることができました。

 支援共闘会議は、毎月の本社抗議行動の後に、運営委員会をもって、旭支会と連帯するために、闘いの方針について議論をしながら団結を固め、重要な前進を切り開いてきたと思います。

 なぜ私たちが、旭非正規職支会の闘いにこだわるのか。世界中の労働者を苦難に追いこんでいる新自由主義、この新自由主義攻撃の核心に非正規職化があります。これを打ち破る闘いとして旭非正規職支会の闘いが闘い抜かれているということです。

 支会の組合員たちはAGC韓国工場の請負会社に雇用された労働者でした。最低賃金ギリギリで、仕事がなくなれば簡単に整理解雇される。解雇されないために競争する。休みも取れない。休憩時間20分で昼飯を食べ、トイレに行き、一服する。粗末な弁当、粗末な作業着。管理職が目を光らせ、ミスをすれば懲罰で赤いチョッキを着せられる。奴隷のような境遇を何とかしたい。そうして2015年5月にGTSという請負会社の178名中138名を結集して旭非正規職支会ができました。

 しかしAGCは、この請負会社の労働者を、それからたった1ヶ月で、全員「整理解雇」しました。メール一本の通知でした。請負会社は解散してしまいます。

 非正規職労働者は、常にギリギリの生活で、解雇の恐怖にさらされ、正規職と分断・差別されながら、競争を強いられています。労働組合に加入することも大きなリスクだし、解雇撤回闘争を7年も闘うなど、途方もないことです。

 しかし、新自由主義のこの社会で、この壁を超えない限り、非正規職を撤廃して、労働者の階級的な団結を作り出すことはできないでしょう。これは世界中の労働者階級が直面する壁です。韓国の旭非正規職支会の闘いは、世界の労働者階級の最も先端に立って、非正規職撤廃を切り開く闘いです。

 私たち日本の支援共闘会議は、そのような闘いとして支援連帯すると同時に、支援連帯の中から、日本の労働者の中に、同じような非正規職撤廃の闘いを作り出していかなければならないと思います。

 少し群馬合同労組の話をさせていただきます。現在組合員80名ほどの個人加盟ユニオンです。コロナ禍で非正規労働者の相談は増えました。外国人の相談も多いです。

 結成から16年。地域に労働運動の拠点になるような組織と運動を作りたいと奮闘してきました。しかしまだ実現できていません。個別の闘争や相談には勝利できても、未組織や非正規の労働運動の拠点を作るのは並大抵ではありません。

 なぜかというと、国鉄の分割民営化から新自由主義が始まってもうすぐ35年です。労働者が労働組合の力を信じていません。やりがいも魅力も感じていません。そもそも労働組合に加入して職場をただす・闘うという選択肢を知りません。非正規職化も進んで、職場がひどければ転職するというのが普通の感覚になっています。

 さらに相談に来る人の職場はろくでもない職場が多いです。多くの相談は、パワハラがらみで、メンタル疾患を抱えての相談です。ハンディキャップを抱え、病気の治療という観点からは退職が最大の治療ということが多いです。悔しいけど、闘って、他の職場で再スタートするのが本人にとっては最大の勝利だということになります。

 個別の闘いが職場全体を変える、獲得するためには、ある意味、社会全体を巻き込まなければなりません。例えば群馬でも果敢に闘ったコンビニオーナーの闘いがそうでした。メディアも動かして、世論を味方にしました。しかしそれでも労働組合の拠点を作るにはいまだに力及びません。

 闘いが職場全体を獲得する段階に前進すると、資本との関係が一変します。資本は命がけで組合をつぶしに来ます。中央タクシー分会という分会の闘いがそうでした。分会長が夜陰に紛れて出勤途上で襲撃されました。これに負けずに団結を守り抜いて群馬合同労組の現在があります。地域に労働組合の拠点を作るのにあと一歩だと思います。

 そんな群馬合同労組には一つの確信があります。それは、旭非正規職支会との連帯・団結がユニオンの団結の深いところにすわっているということです。職場で闘う組合員は、孤立して苦しい思いをします。しかし、労働者・労働組合には力がある、国境や民族まで超えて団結できる、共感し励ましあうことができるのが労働者階級だということです。何よりも私自身がそのような思いで労働運動をやり、組合員がそれに共感して、いっしょに闘ってくれています。

 私たち日本の労働者は、日本の労働運動がおかれた現状を変革しなければなりません。新自由主義と闘える労働組合・労働運動を強固に発展させていかなければならない。それを抜きにしては、連帯を語ることはできないと思います。

 しかしその道は、旭非正規職支会との支援連帯闘争の中に、はっきりと示されています。

 原則的に闘うこと。昨年暮れから今年初めにかけて、AGC旭硝子本社は違法派遣訴訟の解決のために、旭非正規職支会に和解の協議を申し入れました。そこでAGCが示した解決案は、チャホノ支会長だけを外して残りの組合員全員を正社員として雇用するというものでした。旭支会は、支会長一人を外すことは許せないと、和解を拒否して、この卑劣な和解案を公表して、何年かかろうとも全員が正社員として戻るまで堂々と闘い抜くと宣言しました。組合員の総意です。非正規職撤廃の原則を裏切るような解決はできないということです。最初から彼らが原則的で強かったわけではありません。闘争と団結が、労働者を変えるということです。

 ご参加の皆さんに訴えたいと思います。ぜひとも、皆さんの地元で、旭非正規職支会支援共闘会議を組織してください。そして、日本において、新自由主義と対決できる労働運動の拠点にしていただきたいと思います。そして11月26日のAGC本社抗議行動に参加してください。最後までともに闘いましょう。

国際連帯集会の報告はこちら

9・4旭非正規職支会支援共闘集会で連帯広がる

 旭非正規職支会支援共闘会議は9月4日、文京区民センターにおいて、支援連帯集会を開催しました。日本本社から派遣されたAGC韓国社長(当時)・原納猛に対して、派遣法違反で懲役6カ月の有罪判決を勝ち取った旭非正規職支会の闘いは、解雇撤回・非正規職撤廃へ向け、大きな闘いの山場を迎えています。民主労総の10・20ゼネスト闘争の先頭で非正規職撤廃を掲げて闘っています。支援共闘会議は日本での連帯闘争を大きく作り出す決意を込めて集会を勝ち取りました。
 韓国・ソソンリでのサード配備反対集会に参加している旭非正規職支会チャ・ホノ支会長とリモートで結び、挨拶と報告をもらいました。チャ・ホノ支会長は最初はAGCを不起訴にした検察に対して、テントを張り、ロビーを占拠して、拘束されてもあきらめずに闘い、ついに起訴させて、製造業で初めて懲役刑判決を出させた、少数でも民主労総は強い力をもっている、われわれがどんな精神と決意で闘うかによって変わる、韓国サンケン労組と連帯し最後まで力強く闘うと決意表明を受けました。
 またサンケン労組を支援する会からも多数が参加、代表して大畑さんから、旭とサンケンは共通する闘い、韓国で連帯して闘っている、日本でもいっしょに闘わなければならない、と連帯の挨拶を頂きました。
 基調報告を清水事務局長(群馬合同労組)が行い、日本での支援連帯は、同じような非正規職の闘いを作り出し、労働組合と団結を取り戻す闘いにしなければならないと訴えました。外注化と闘い外注職場で非正規職労働者の組織化を前進させる動労千葉から報告と決意、最後に元在日政治犯で、再審無罪を勝ち取った金元重顧問から、小さくても韓国のろうそく革命のような闘い方をしようとまとめの提起がありました。
 さらに闘いを前進させるためにみなさんのご支援とご協力をお願いします。