非正規職労働者の正当な叫び、犯罪にするな

非正規職撤廃!2021年10月20日のゼネスト闘争にたつ非正規労働者

https://www.pressian.com/pages/articles/2021110315182207508#0DKU

(プレシアン 2021.11.3)

”不法派遣使用者処罰”を叫んだ非正規職労働者に懲役5年6か月を求刑した検察

〔寄稿〕非正規職労働者の正当な叫び、犯罪にするな

チャホノ金属労組旭正規職支会|2021.11.3


去る10月19日ソウル中央地方裁判所所管509号法廷で裁判があった。17名が法定に立った。現代起亜車、旭硝子、韓国GM、自動車販売代理店などで働いている非正規職労働者たちだ。

 この日検事の求刑があった。検事は17名に総計’懲役22年6か月’を求刑した。起亜車華城(ファソン)工場非正規職キムスオクは’懲役5年6か月’を受けた。一体どんな重罪を犯して検事は’懲役22年6か月’もの求刑をしたのか。最初に求刑を聞いた時耳を疑った。あまりにも途方もない話で笑ってしまった。時間の経過に伴い大事だと思うようになった。

2019年、ソウル雇用労働庁前のテントで。現代車華城(ファソン)工場の非正規職·キム·スオクさん

 2018年7月現代起亜車非正規職11名はソウル地方雇用労働庁抗議籠城を行った。11名は雇用労働部に直接雇用是正命令を要求し労働庁の籠城に入った。この事件が共同住居侵入で、特殊建造物侵入未遂になった。その過程で抗議書簡の伝達を妨害する警察との言い合いになった。警察は4週間の治療を要する打撲を受けたと主張した。しかし負傷した警察官は次の日集会現場で無傷で勤務していた。病院には行かず、薬の服用もなかった。警察官は以後2か月間一日も休暇を取らなかった。この事件が特殊公務執行妨害致傷になった。

 2018年10月現代起亜車、旭硝子、韓国GM非正規職6名は最高検察庁ロビーに入った。不法派遣犯罪者を処罰しろと要求した。検察から何の回答もなく、6名は全員引き上げた。この事件が共同住居侵入になった。2019年1月起亜車と旭硝子非正規職6名は、青瓦台100m以内で小さなプラカードを広げ「不法派遣使用者処罰」、「非正規職を止めよう」と叫んだ。この事件が集示法違反になった。

 このような事件を集めて検察は懲役22年6か月を求刑した。検察はこの闘争を代表した人物としてキムスオクに目を付け標的にした。

 2013年韓国GMリックライリー社長は不法派遣で罰金700万ウォンを受けた。旭硝子日本社長は不法派遣で検察の求刑懲役6か月を受けた。現代起亜車は不法派遣について10余年間起訴すらされなかった。検察は最近現代起亜車を起訴した。労働者の誰かが死に、数十名が拘束されてはじめて不法を思いのままにする使用者一人を拘束させるという話がまさにしっくりくる。

現代起亜車非正規職労働者たちはソウル雇用労働庁の籠城に入ったが、雇用労働部は最後まで是正命令を出さなかった。2019年8月キムスオクは再び47日間の断食籠城を行った。断食で体重が20キロ以上も落ち、呼吸困難で結局病院に運ばれた。雇用労働部と検察が不法派遣についてまともに処罰していたら労働庁の籠城や断食籠城はなかった。行政機関の故意の職権乱用を見て黙っていろというのか。

 検察の物差しは公正でもなければ常識的でもない。やりきれない非正規職労働者たちの苦しみは解決してもらえず、むしろ叩くことに懸命になるのが検察なのか?公公然と不法を犯す大企業は処罰することができず、やりきれない非正規職労働者たちについては加重処罰する。検察が労働者を処罰するように全く同じ物差しで使用者を処罰したなら不法派遣はすでになくなっている。そうなっていれば非正規職がわざわざ集まり検察を相手に闘うか。

 検察の求刑を見て恐ろしく思った。’懲役5年6か月’の検察求刑は労働者すべてを怯えさせ脅迫するものだ。検察の刃は非正規職ではなく数十回の不法派遣判決を受けても履行しない使用者たちに向けられなければならない。裁判所に望む。検察と同じように非正規職労働者たちの正当な叫びを犯罪として扱ってはならない。われわれは犯罪者ではない。

 

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