旭非正規職支会支援共闘会議は、旭非正規職支会とAGCの和解決裂を受けて、2021年3月16日付で声明を発しました。同じ日、AGC株主総会を前にAGC本社前で抗議行動を行い、この声明をビラにして配布しました。旭非正規職支会支援共闘会議は、旭支会全員が正社員として職場に戻るまで、共に闘い抜きます。
AGCは今も新型コロナで受付を閉じて面会を受け付けないでいます。申入れもできない状況ですが、のぼり旗を新調して、20名余りで抗議・宣伝を行いました。ビラの受け取りはとてもいいです。世論の力で、一日も早く22名全員が、正社員として職場復帰できるように力を入れます。
3月30日のAGC株主総会の会場前でも宣伝活動を行います。
旭支会組合員の来日はできませんが、韓国の支会とオンラインで結びながら株主への訴えを行いたいと思っています。
たくさんのみなさんの結集をお願いします。
AGC第96回株主総会
2021年3月30日(火)午前10時(受付開始 午前9時)
東京會舘 3階 ローズ
宣伝行動は3/30 8:30から東京會舘南側正面玄関前で行います。
3/16昼休みAGC本社前行動 写真報告
以下は、旭非正規職支会支援共闘会議の声明。
AGC(旭硝子)は支会長外しの和解案を撤回しろ!
2021年3月16日 旭非正規職支会支援共闘会議
旭硝子(当時、現・AGC)は2004年、特恵待遇(工場用地の50年間無償貸与、15年間の地方税免除)を得て、韓国・亀尾市に進出。日本では同年、製造業への派遣労働が解禁されましたが、韓国では今も製造業派遣は禁止です。AGCの韓国法人・旭硝子ファインテクノ韓国(AFK)は、工場内で下請け会社の非正規職労働者を働かせました。これは、いわゆる偽装請負であり、すでに2019年2月、AFKは不法派遣で起訴され、刑事裁判が進行しています。労働者地位確認訴訟でも2019年8月の一審で組合員22人とAFKとの雇用関係を認める勝利判決をかちとっています。こうした労組の闘いに追い詰められたAGC本社は、ついに昨年12月に旭非正規職支会に和解協議を求めてきました。
しかし2月23日、2度目の和解交渉でAGCの代理人「法務法人テピョンヤン(太平洋)」は、「雇用する。しかし支会長はだめだ」と、チャ・ホノ支会長を除いた組合員の新規採用という形での正社員雇用を提示しました。同時に、正規職として雇用する場合はバックペイは9200万ウォン(約880万円)、この機に退職するなら3億4千万ウォン(約3230万円)の解雇期間補償金を出すというものでした。6年解雇撤回で闘ってバックペイが880万円。年収で言えば150万円にもなりません。また一方で「個人別合意金額と別途に民主労総と金属労組などに労組発展基金を支給する意思がある」と表明しました。これらは、AGCの基本姿勢が、この期に及んで、「金で解決してやる、労働組合としての活動は許さない、金を使えば労働組合の活動は思うようにコントロールできる」というものなのだと言わざるをえません。
旭非正規職支会は、AGCの代理人に「組合員22人全員の雇用が前提であり、協議案は受け入れることはできない」と表明し、最後まで闘う決意を明らかにしました。6年間、どんなに厳しい状況でも、団結して工場前にろう城を続けて、非正規職が人間として扱われる社会のために闘い続けてきました。一刻も早く解決を!という思いを逆手にとって、「解決案」という形で、新たな組合の分断を図り、闘争を終結させようというAGCを、私たち支援共闘会議も許すことができません。最後の勝利まで、日韓の労働者の連帯と団結をかけて、旭非正規職支会と共に闘い抜きます。
AGCのこうした対応に対して、韓国の労働者市民の中には、いまだに日本企業は韓国を植民地のように扱うのかとの大きな批判が巻き起こっています。サンケン電気㈱(本社・埼玉県新座市)のように新型コロナウイルス感染拡大に乗じて労働組合つぶしの韓国子会社の解散・全員解雇を強行する企業も大問題となっています。
私たちは、旭非正規職支会の非正規労働者の団結権を守るという原則的な立場を支持し、国際的な非正規職・非正規職差別撤廃の闘いとして、国際連帯の原則に立って共に闘い抜きます。来る3月30日AGC第96回株主総会が東京會舘で開催されます。私たちは、AGC・平井良典新社長に対して、AGC本社の責任において組合員22人全員の解雇撤回・正規職雇用を基本とした早期解決を図るよう強く求めます。